台湾のウクレレ奏者「Feng E」(馮羿)とは


台湾のウクレレ奏者である「Feng E」(馮羿)をご存じでしょうか。ウクレレや台湾の音楽などに詳しい人ならもしかしたら聞いたことがある名前かもしれません。
私が彼を知るきっかけになったのは、竹林の七賢のひとりである阮籍について調べていた時に、詩人で官吏でもあった阮籍が古琴曲である『酒狂』を作曲していたということを知り、YouTubeで『酒狂』の演奏動画を検索したことでした。
明代に朱権(1378~1448)によって編纂された古琴の楽譜である『神奇秘譜』によると、古琴曲である『酒狂』は阮籍の作であるといわれることから、阮籍は作曲もできるほどの才能の持ち主だったということになります。
ちなみに、現在の『酒狂』は1957年に琴奏者である「姚丙炎」が明代の『神奇秘譜』をもとに復刻した版になります。
話はそれてしまいましたが、「Feng E」(馮羿)による『酒狂』のギター演奏を初めて聞いた時、心にすーっと沁み込んでくるような音色ですごく感動して鳥肌が立ったのを今でも覚えています。
そこで、今回は台湾出身の「Feng E」(馮羿)君について調べてみましたので、ちょっとだけ詳しくみていきたいと思います。
「Feng E」(馮羿)とは
2007年7月9日生まれの「Feng E」は本名を「馮羿」といい、台湾の台北市出身のウクレレ奏者になります。
詳しくは以下のHOOK UKULELEさんのYouTube動画から観ることができますのでどうぞ。実際に「Feng E」君と会ってインタビューをしているので貴重と言えば貴重かもしれません。
この方はHOOK UKULELEは「Feng E」君のことを「フェンイー」としているので、この記事では以下、「フェンイー君」で統一したいと思います。(発音的にはフォンイーが正しいですが)
5歳からウクレレを始めたフェンイー君はさまざまな曲をウクレレでカバーしたりしており、ウクレレ以外にもピアノやアコースティックギター、エレクトロリックギターなど、5種類の楽器を演奏することができます。
ウクレレを始めたきっかけ
こんなにウクレレが上手いフェンイー君ですが、実はウクレレが好きで好きでしょうがなかったから始めたというわけではありませんでした。
ウクレレを始めることになったきっかけは、実はフェンイー君自身の“指”にありました。
フェンイー君がまだ幼稚園児だった頃、他の園児たちに比べて真っ直ぐ線を引いたり粘土で球を作ることが苦手な姿をみた先生がフェンイー君の指の“発達が遅れている”ことに気付きました。
それを知った父親はフェンイー君にウクレレならどうかと勧めてみたものの興味を持ってくれませんでした。
初めピアノを勧めたものの興味を持ってくれなかったため、ウクレレを数s馬手観ましたがピアノ同様に興味を持ってくれませんでした。
なんとかしてウクレレを弾かせたかった父親は、ある秘策を思いつきました。
それは、ウクレレのレッスンが終わった後に一緒にLEGOで遊んであげるというものでしたが、いくらなんでもこんな子供だましに引っかかる訳がないと思っていたところ、予想に反してフェンイー君はウクレレの練習をするようになりました。
その後、陳宥廷氏やAnnier氏の両氏からピアノを学ぶなど、ここから彼の音楽の才能が少しずつ花開いていくことになります。
5歳から始めたウクレレは、その後みるみる上達していき、2017年には「Asia’s Got Talent」というオーディション番組に出演し、プロデューサーのDavid Foster氏から「Golden Buzzer」を獲得し、準々決勝に進出。
Wikipedia「アメリカズ・ゴット・タレント」の記事によると、この 「Golden Buzzer」というのは審査員のテーブル中央に置かれている金色のボタンのことで、そのボタンを押されるということは審査員からの最高の評価という意味合いだけでなく、多くの観客に称賛された参加者の象徴としての要素が強いということです。
ちなみにフェンイー君が参加した時に「Golden Buzzer」のボタンを押したのはプロデューサーのDavid Foster氏でしたが、David Foster氏はフェンイー君について本物の才能があるとし、ウクレレを“toy”と見なす人がほとんどなのに君はそれを“experience”(自身の知識や技術)に変えていると絶賛。
当時の映像は下のYouTube動画から観れますのでどうぞ。
2018年と2019年には、数多くの有名人などが出演するアメリカのトーク番組である「The Ellen DeGeneres Show」(エレンの部屋)に出演し、演奏を披露。
私は英語がよく分からないのですが、司会者の隣に座る通訳の女の子がちょっと会話のキャッチボールがうまくいっていないように見えますが、それも含めたフェンイー君のトークと演奏は以下のYouTube動画から観られますのでどうぞ。
2020年にはアメリカの「 America’s Got Talent 」という番組に出場し、準決勝まで進出。その時の動画は下のYouTube動画からどうぞ。
今後のさらなる活躍が楽しみですね!!
https://www.facebook.com/FengEOfficial
https://www.instagram.com/fengeofficial/
フェンイー君のおすすめ動画
個人的にオススメの動画をピックアップしてみましたが、フェンイー君のYouTubeチャンネルから他の演奏も観ることができるので興味のある方はどうぞ。
■「紅蓮華」
歴代興行収入1位を記録した『鬼滅の刃』の主題歌である「紅蓮華」のギターバージョンになります。
■「酒狂」
中国の三国時代から東晋にかけて詩人であり官吏でもあった阮籍(げんせき)の作と言われる古琴曲『酒狂』をギターでカバーしたものになります。
現在の「酒狂」は1957年に琴奏者である「姚丙炎」が明代の『神奇秘譜』をもとに復刻した版になります。
■「奇跡の山」
日本のギタリストである岸部眞明(きしべまさあき)氏の『奇跡の山』をウクレレでのカバーになります。
イラストレーターの皆さん
この記事を作成するに当たって使用させてもらった画像のイラストレーターさんになります。
・「miho」さん - パンダ
1件のコメント