【韓国語】「미역국을 먹다」は「わかめスープを飲む」にあらず?!

미역국을 먹다(わかめスープを飲む)

「미역국을 먹다」は直訳すると「わかめスープを飲む」という意味になり、「미역」とは「わかめ」「국」「スープ」「먹다」「食べる」という意味になります。

わかめスープというと、私の場合は小中学生の頃に主食がパンの時とかに給食で出されたものや、上海の大学に留学していた時に学生食堂で提供されていた味の薄い卵入りのわかめスープを思い出します。

大人になってからわかめスープを飲んだ記憶はほとんどありませんから、私にとってはほとんど縁のないものといっても良いかもしれません。

日本ではわかめスープを飲むこと自体、何か特別な意味を持つということはないと思いますが、韓国や韓国人にとってはかなりイメージが違うようです。

そこで今回は「미역국을 먹다」について調べて見たのでざっと簡単に紹介していきたいと思います。

韓国人にとってわかめスープを飲むことの意味

韓国人にとってわかめスープを飲むということには大きく分けて「(試験に落ちたりなど)縁起が悪い」こと、「感謝を表す」こと、出産後の女性が飲むことで「栄養不足を補い、乳の出をよくする」ことの3つの意味があります。

それぞれについてちょっと詳しく見ていきましょう。

わかめスープを飲む=縁起が悪い

わかめのあの独特のヌメヌメ感が苦手という方もいるのではないでしょうか。

私はヌメヌメ感というよりは、サラダとかで出された時の「におい」が気になるかなという感じですが、味噌汁などに入っていれば特に問題はありませんし、どちらかというと好きな方かもしれません。

そんなわかめですが、表面がヌルヌルでツルツルしていて(미끌미끌하다)とても滑りやすくなっています。

これでほとんど想像がつくとは思いますが、日本で試験に落ちることなどを「滑る」という言い方をすることがありますが、それは韓国でも同じで、試験に落ちてしまうことを「시험에 미끄러지다」(試験に滑る)といいます。

わかめは表面が滑りやすいことから試験に滑ってしまうことを連想させてしまうため、韓国では試験を受ける前などにはわかめスープを飲むことはとても縁起が悪いこととされているようです。

また最初の方にも書きましたが、「미역국을 먹다」は直訳すると「わかめスープを飲む」となりますが、韓国語の慣用表現として「미역국을 먹다」といった場合は「試験に落ちる」「解雇される」という意味としても使われます。

ちなみに、「試験に落とす」「解雇する」「미역국을 먹이다」(わかめスープを飲ませる)と表現するようです。

わかめスープを飲む=感謝を表す

韓国では試験前などにわかめスープを飲むことは縁起が悪いこととされていますが、もうひとつ「感謝を表す」という意味もあります。

ではどういう時にわかめスープを飲むのかというと、「誕生日」の時に「母親」に感謝を表すために飲みます。

妊娠・出産をへてからこれまで育ててくれたことへの感謝を表したり、その感謝を忘れないようにという意味の他にも、誕生日にわかめスープを飲むことで幸運が舞い込んでくると信じられていることから、韓国では誕生日にわかめスープを飲む風習があるようです。

わかめスープを飲む=産後の栄養補給

また、韓国では出産後の女性はわかめスープを飲むということが伝統的に行われており、これはわかめに含まれるミネラルなどで産後の栄養不足を補うことで乳の出をよくするという意味があるそうです。

これは中国の唐代に書かれた『초학기』(『初学記』)という文献に、「クジラが出産後にその傷を治すためにわかめを食べるのをみた高麗(高句麗のこと)の人たちが出産後の女性に食べさせた」という記述があることから、約1300年以上も続く風習になるとされています。

韓国語の記事も日本語の記事もいずれも『初学記』を根拠としてこの風習が1300年以上も続いているとしていますが、唐代に徐堅(659~729年)によって著されたこの『初学記』の原文にざっと目を通してみましたが、上記のような記述を見つけることができませんでした。

私の見落としかもしれませんし、もしくは出典自体を間違っているかもしれませんので、詳しい方がいましたらコメントからでも良いのでご教授お願いします。

また、だいぶ古いものになりますが、“미역국 먹다”란 뜻을 아시나요? (어원) (8)(“わかめスープを飲む”という意味をご存じですか)という記事によると、民間信仰的な側面があるとしています。

つまり、出産後も体内に残っている「부산물」(副産物、つまり胎盤や羊水などの“胎児付属物”のこと)がわかめのようにスルッと出てくるようにという思いから産後にわかめスープを飲んでいたということです。

まとめ

韓国ではわかめスープを飲むことは、試験前などであれば滑ってしまうかもしれないということで縁起が悪いですし、誕生日に飲むことで母親への感謝を表したり、出産後の女性が飲むことで栄養不足を補ったりと、色々な意味があって面白いなと思います。

また、「미역국을 먹다」(わかめスープを飲む)に「試験に落ちる」や「解雇される」という慣用表現があるわけですが、もし試験の前日が自分の誕生日だったらと考えると飲むのをためらってしまうかもしれませんね。

【中国語】名落孙山( míng luò sūn shān)

韓国語で試験などに落ちてしまうことや仕事を解雇されることを、直訳で「わかめスープを飲む」という意味の「미역국을 먹다」と書きましたが、同じような意味で中国語では何というのでしょうか。

わかめスープを飲むことを中国語では「喝海带汤」といいますが、残念ながらこれには韓国語の慣用表現のような意味はありません。

中国語で「試験に落ちる」ことは、わかめスープを飲む代わりに「孫山」という人名を用いて「名落孙山」( míng luò sūn shān)という故事成語を用いて表現することがあります。

直訳すると、「(自分の)名前が“孫山”という人よりもあとに来る」という意味になります。

これはその昔、「孫山」という人が同郷人の息子と一緒に科挙を受けに行った時に、孫山自身は成績順に貼り出された合格者名簿の最後に自分の名前を見つけたものの、同郷人の息子は落ちてしまったため名前を見つけることができませんでした。

故郷に帰った後にそのことを同郷人に報告しようとした時に、孫山が「息子さんの名前は私のあとに出てきます」と言ったという故事から、「名落孙山」という故事成語が誕生しました。

詳しい内容については下の記事「名落孙山」( míng luò sūn shān)にまとめてありますので、ぜひ読んでみてくださいね。

ちなみに、韓国語の「미역국을 먹다」には「仕事を解雇される」という意味はありますが、中国語の「名落孙山」には仕事を解雇されるという意味はありませんので注意してくださいね。

ちなみに、中国語の「名落孙山」は韓国語で「명락손산」(名落孫山)といいますが、今回の故事成語に関しては下の「人民網韓国」のYouTube動画から字幕つきで観られますので、韓国語学習がてら中国語の故事成語に触れてみるのも良いかもしれません。

イラストレーターの皆さん

この記事を作成するに当たって使用させてもらった画像のイラストレーターさんになります。

「せいじん」さん - ネコ

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