【韓国語】오합지중(烏合之衆)

오합지중(烏合之衆):あらすじ

新(莽漢)滅亡後、自らを皇帝と称して挙兵した王郎の軍を蹴散らすことなど、枯れ木や枯れ枝を折るくらいに簡単なことだと耿弇(こうえん)という人物が言った話。

오합지중(烏合之衆):意味

日本語のでもおなじみの「烏合の衆」は、韓国語では「오합지중」といい、漢字で表記すると「烏合之衆」となります。

規律や秩序のない軍隊や群衆、明確な目的がなく団結力が弱い集団のことをあざ笑っていう言葉になり、「오합지졸」(烏合之卒) という言い方もありますが、意味は同じになります。

韓国の明文堂が発行している『사자성어 대사전』(四字成語大辞典)の「오합지중」によると、「衆」は軍隊を表すので、「卒」ということもあるとしています。

韓国版Wikipedia(?)の「나무위기」「卒」の記事によると、「卒」(졸)とは「官奴(官有の奴婢のこと)や兵士が着る服を表わした文字」となっており

また、「나무위기」「오합지졸」の記事によると、「群れを意味する文字の중(衆)に代わり、似た意味の졸(卒)に変えた」とあります。

ちょっと一貫性がない記述ですが、まとめると「衆」と「卒」はいずれも「群れや軍隊を表す」ということになるので、오합지중(烏合之衆)であれ「오합지졸」(烏合之卒)であれ意味に違いはないということになります。

最初、「오합지졸」(烏合之卒)を見た時に私は朝鮮将棋の「장기」(チャンギ)の「卒」の駒のことを指すのかと考えていましたが、どうやら違うようです(笑)

ちなみに、「유사어」(類似語)に「와합지중」(瓦含之衆) があるようです。

出典《후한서·경감열전》【後漢書·耿弇列傳】

今回の故事成語である「오합지졸」(烏合之卒)の故事は『후한서』(後漢書)「경감열전」(耿弇列伝)に登場します。ちなみに「耿弇」は「こうえん」と読みます。

これは更始元年(23年)に王莽による신(新)が滅ぼされ、代わって유현(劉玄、更始帝のことが皇帝を称した新末後漢初の話になります。

新が滅びると、それを好機とみた諸将は各地に攻め入ると、太守(郡の長官)などを次々と交代させたり殺害したりして好き放題に振る舞い始めました。

경감(耿弇)の父親である경황(耿況:こうきょう)も新滅亡前には上谷郡の太守を務めていたために自分もいつかひどい目に遭うのではないかと不安な日々を送っていました。

そこで、息子の耿弇に献上の品を携えさせると長安にいる更始帝に謁見させようとしました。

その頃、山東省では赤眉軍(せきびぐん:農民の反乱軍)が勢力を拡大しており、更始帝は유수(劉秀、のちの光武帝)率いる軍を派遣して鎮圧に向かわせました。

すると、もともと占い師だった王朗が自らを成帝の遺児であると称して挙兵すると、その勢力はみるみる拡大し、ついには劉秀の勢力を凌ぐほどになっていきました。

耿弇は部下とともに長安へ向かう途上にいましたが、ここで勢いのある王朗に味方するべきか、それとも、劉秀に味方するべきかという選択に迫られました。

部下たちは勢力を拡大して勢いに乗っている王朗につくように主張しましたが、それに対して耿弇は、王朗は単なる賊に過ぎないと一蹴し、劉秀の側につくことに決めました。

この時に、耿弇は「烏合の衆を蹴散らすことは枯れ木や枯れ枝を折ることのように簡単なことだ」と発言したところから、この「烏合の衆」という故事成語が誕生しました。

その後、耿弇のもとを離れた部下たちは王郎側につくことになりました。

そして、耿弇らの率いた連合軍は劉秀軍と合流すると、王朗軍を撃破することに成功し、劉秀による天下統一を助けていくことになります。

【英語】烏合の衆

気になったので英語で烏合の衆は何というのかを調べてみたのでシェアしたいと思います。

英語で烏合の衆は、『ジーニアス和英辞典』には「無秩序な群衆」という意味で「disorderly crowd」、「収拾のつかない暴徒」という意味で「wild mob」とあり

オンライン辞書で調べてみるとだいたい「a rabble」「a mob」「a motley crew(crowd)」という感じで訳されていました。

ただ、goo辞書や中英辞典で調べてみると「sheep without a shepherd」(羊飼いのいない羊の群れ、指導者のいない烏合の衆)というのがありました。

さらに調べていくと、これはどうやらキリスト教の『新約聖書』に登場する聖句の一節からきているようです。

『新約聖書』の「マルコによる福音書」の6章第34節に「イエスは舟から上がって大ぜいの群衆をごらんになり、飼う者のない羊のようなその有様を深くあわれんで、いろいろと教えはじめられた。」(口語訳)という部分があるのですが

その部分の英訳は「Jesus saw the huge crowd as he stepped from the boat, and he had compassion on them because they were like sheep without a shepherd. So he began teaching them many things.」となっています。

この「sheep without a shepherd」という部分が「飼う者のない羊」と訳されています。

この後、イエスが5つのパンと2匹の魚を5000人の群衆に分け与えると、みなお腹が満たされただけでなく、さらには余ったという奇跡的な話が続きます。

私はクリスチャンではないのでなぜそのようになったのかという真意は分かりませんが、とにかくそのようになっています。

話は戻しますが、この「sheep without a shepherd」という部分は『新約聖書』の「マルコによる福音書」が出典になっているということになります。

【中国語】乌合之众( wū hé zhī zhòng )

「烏合の衆」は中国語では「乌合之众」( wū hé zhī zhòng )といいます。

「众」は「衆」の簡体字になりますから、日本語の「烏合の衆」と同じで衆の字が使われていますね。

詳しい内容については下の記事「乌合之众」にまとめていますので、興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。

ちなみに、さきほどの「sheep without a shepherd」(飼う者のない羊)という部分ですが、中国語では「没有牧羊的绵羊」と訳されているようです。

羊の部分を「绵羊」としているところから、中国語独特のくどさを感じますね。

イラストレーターの皆さん

この記事を作成するに当たって使用させてもらった画像のイラストレーターさんになります。

「せいじん」さん - ネコ

「miho」さん - パンダ

「koeri」さん - 猫とカラス

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