【家喻户晓】梁姑の子どもは1人 or 2人?

家喻户晓( jiā yù hù xiǎo ):あらすじ

梁国(魏国とも)のとある女性の家が火事になり、家の中にいた兄の子どもと自分の子どもを助け出そうとしましたが、自分の子どもだけ助けてしまいました。それを恥じた彼女は燃えさかる家に再び飛び込んでいくと、兄の子どもとともにそのまま帰って来ることはなかったという話。

家喻户晓( jiā yù hù xiǎo ):故事

「梁姑」の子どもの数

「家喻户晓」という故事成語の故事にには、梁姑の子どもが「1人」のバージョンと、「2人」のバージョンがありますが、現代中国語に訳されているもののほとんどが「2人」バージョンになります。

私も最初はそれを鵜呑みにして、彼女には2人の子どもがいて、火事の時には兄の子どもと3人で家の中で仲良く遊んでいたんだなと想像していました。

別に彼女の子どもが何人いようが「家喻户晓」の意味には何も影響はないのですが、燃え盛る火の中に飛び込んで子どもを助け出す描写は1人分しか出てこないように感じていたことから、私はどこか違和感を感じていました。

そこで、原文を確認してみると、家から火が出た後に「兄子与己子在内中」(兄の子と自分の子が(家の)中にいた)と書かれているだけで、兄の子どもと自分の子どもが具体的に何人いたのかについては描写されていませんでした。

原文を読む限り、兄の子どもと彼女の子どもはひとりずつしかいないようにも思えますが、そんな違和感を感じながらも「彼女には2人の子どもがいたのかな」と思い込んでいました。

しかし、原文をもう一度よく読んでみると、恐らくこれが原因なのではないのかなという単語を見つけました。

それは最初の「・・・・・・欲取兄子,輒得其子,・・・・・・」というところの「辄」( zhé )という単語です。

中国語を学習していてもなかなか見かけることのない単語だと思いますが、意味としては「そのつど~、~のたびに」「~すればいつも、往々に」となります。

辞書にはさらに「动辄」( dòng zhé )「动不动」( dòng bu dòng )も同じような意味を表すとされていますが、個人的にはあまり見かけない聞き慣れない言葉かなと思いますが、頭の片隅に置いていても損はないかと思います。

この「辄」という単語を「そのつど~、~のたびに」と捉えれば、原文の「・・・・・・欲取兄子,輒得其子,・・・・・・」は、「兄の子を助けようとするも、そのつどその(彼女の)子を掴んだ」となり、子どもを助けに入るために複数回にわたって家の中に入った意味にもとれます。

ではなぜ彼女の子どもが1人のバージョンがあるのでしょうか。

その人はどこをみてそう訳したのでしょうか。

その答えはやはり「辄」( zhé )にありました。

quword 趣词」「https://www.quword.com/というオンライン辞書サイトによると「辄」(←リンク)には他にも意味があり、そのうちのひとつに「反而、却」という意味があると載っていました。

「反而、却」とは「かえって、逆に」「ところが、なんと」という意味で、起きたことが予想に反することを表わす場合に用います。

また、「漢典」というオンライン辞書サイトには「则」という意味もあると載っていました。

ここでの「则」は「却」と同義ととれると思われます。

仮にこの「辄」の訳が「反而、却、则」の意味になるとして、もう一度「・・・・・・欲取兄子,輒得其子,・・・・・・」を読んでみると、「兄の子を助けようとしたが、その(彼女の)子を掴んでしまった」となります。

そうなると、彼女の子どもが1人だったというのも納得がいきます。

ただ、この「辄」( zhé )に「反而、却」という意味があるというのは、『现代汉语大词典』にも載っていないようなので正しいかは分かりませんので注意してくださいね。

イラストレーターの皆さん

この記事を作成するに当たって使用させてもらった画像のイラストレーターさんになります。

「miho」さん - パンダ

「モモザ」さん - 女性の幽霊

chinese-mao

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