【故事成語】按图索骥( àn tú suǒ jì)

按图索骥( àn tú suǒ jì):あらすじ

春秋時代、馬の善し悪しを見分けられる「伯楽」という人物の息子が良馬を探しに出掛けましたが、見つけてきたのは一匹のヒキガエルだったという話。

按图索骥( àn tú suǒ jì): 故事

春秋時代の秦国第9代公である「穆公」の時代の話。

馬の善し悪しを見極められることで有名だった孫陽は、みんなから「伯楽」と呼ばれていました。

彼は『相馬経』という書に自らの知識をまとめると、その中で良馬の特徴を「額は高く眼は大きい、蹄は酒母を積み重ねたよう」だと記しました。

それをもとに、彼の息子は良馬を探しに行きました。

嬉しそうに帰ってきた息子が連れて帰ってきたのは、なんと大きなヒキガエルでした。

息子のあまりの愚かさに、孫陽はこう返してあげました。

「この“馬”はよく跳ねるから、乗りづらいだろう」

按图索骥( àn tú suǒ jì):意味

「按图索骥」( àn tú suǒ jì)という故事成語には主に2つの意味があります。

(a)手がかりをもとにものを探すこと

(b)機械的に行うこと、融通が利かないこと(否定的ニュアンス)

どちらの意味であるかは文脈から判断することになります。

ちなみに、言い伝えによると、「伯楽」とは「天で馬を世話する神」のことを指しており、この世では「馬の優劣を見極められる人」を指すとされています。

現在、「伯楽」という言葉は「人材の発掘や登用に長けた人」という意味にもなります。

出典:《漢書·梅福伝》《芸林·伐山》

(1)《汉书·梅福传》:今不循伯者之道,乃欲以三代选举之法取当时之士,犹察伯乐之图,求骐骥于市,而不可得,亦已明矣。

(2)《艺林·伐山》卷七:“伯乐《相马经》有‘隆颡蛈日,蹄如累曲’之语,其子执《马经》以求马,出见大蟾蜍,谓其父曰:‘得一马,略与相同;但蹄不如累曲尔。’伯乐知其子之愚,但转怒为笑曰:‘此马好跳,不堪御也。’所谓‘按图索骏’也。”

今回の故事成語である「按图索骥」の故事のもとになったのは、前漢の時代について書かれた歴史書である「漢書」の「巻六十七」の「梅福伝」です。

漢書 – 卷六十七 楊胡朱梅云傳 第三十七から原文を読むことができます。

漢書/卷067

王孫報曰:「蓋聞古之聖王,緣人情不忍其親,故爲制禮,今則越之,吾是以臝葬,將以矯世也。夫厚葬誠亡益於死者,而俗人競以相高,靡財單幣,腐之地下。或迺今日入而明日發,此真與暴骸於中野何異!且夫死者,終生之化,而物之歸者也。歸者得至,化者得變,是物各反其真也。反真冥冥,亡形亡聲,迺合道情。夫飾外以華衆,厚葬以鬲真,使歸者不得至,化者不得變,是使物各失其所也。且吾聞之,精神者天之有也,形骸者地之有也。

 

漢書では孫楊とその息子の話は出てくることはなく、「欲以三代選舉之法取當時之士,猶察伯樂之圖,求騏驥於市,而不可得,亦已明矣。」

「三代(夏・商・周)の方法によって士を得ようとすることは、伯楽の(描いた)絵によって市で千里馬を求めるようなもので、その道理は明白だ」

という一文で登場するにとどまります。(意訳で申し訳ありません)

その後、明代になって楊慎( 杨慎:yáng shèn )という文人が「芸林・伐山 」( 艺林・伐山:yì lín・fá shān )という書の中で上記のような故事を書いたことで「按图索骥」のイメージがより生き生きと表現されるようになりました。

「芸林・伐山」の部分については以下に引用します。

「伯樂《相馬經》有『隆顙蛈日,蹄如累麴』之語。其子執《馬經》以求馬,出見大蟾蜍,謂其父曰:『得一馬,略與相同,但蹄不如累麴爾!』伯樂知其子之愚,但轉怒為笑曰:『此馬好跳,不堪御也。』」

原文網址:https://kknews.cc/education/68ykbv3.html

「芸林・伐山 」の話では、この『相馬経』に書かれている「隆顙蛈日,蹄如累麴」という記述を見ながら良馬を探した結果、ヒキガエルを連れて帰ってきたというオチになりますが、この「隆顙蛈日,蹄如累麴」は直訳すると「高く突き出た額に大きな目、酒母を積み重ねたような足」となるようです。

」は古代中国では「銅銭」の別名であったことことから「銅銭のように大きな目」のことを指しており、また、「酒母」(しゅぼ)とは「蒸し米に麴こうじを加えて発酵させたもの」のことで、酒のもろみを作るもとになるものとされています。

ただ、「隆顙蛈日,蹄如累麴」という記述だけでは馬のイメージがまったくわかないどころか、別の生き物を想像してしまいます。

ちなみに、『相馬経』の原本はすでに逸失しているので、この「隆顙蛈日,蹄如累麴」という表現は実際に『相馬経』に書いてあったものではなく、「芸林・伐山 」の作者である楊慎の創作であると思われます。

ちょっと深掘り

孫楊は、現在の山東省の生まれで、当時は馬の優劣を見極められることで有名であったことから伯楽と言われていましたが、その後、いつしか本名の孫楊よりも伯楽という名で呼ばれるようになり現在に至ります。

その伯楽の名で知られる孫楊ですが、次のような話が残されているので軽く紹介したいと思います。

ある時、楚王から駿馬(足の速い馬)を買い付けてくるように依頼された伯楽は、各国を探し回っていると、塩を載せた車を牽く一頭の痩せ細った馬を見かけました。

孫楊はこれを買い取って楚国に連れて帰ると、初めその馬を見た楚王は半信半疑だったものの、きちんと世話をしてあげるとみるみるうちにたくましくなっていき、その後は楚王とともに戦場を駆け巡りながら多くの功を立てることとなりました。

この故事がもとになってできたのが「伯乐相马」( bó lè xiàng mǎ )という成語ですが、詳しくは「伯乐相马」の記事にまとめてありますので、ぜひ読んでみてくださいね。

ちょっと深掘りしすぎて何が何やらで混乱していると思うので以下のようにまとめてみましたので参考までに。

ちなみに、初めに出てきた孫楊とその息子の話ですが、ヒキガエルを連れて帰ってきた「按图索骥」の息子に対して、「伯乐相马」の孫楊もきっと「伯乐想骂」だったに違いありませんねwww

例文

有了这张交通地图就可以按图索骥,很方便。

我们希望员工不要按图索骥

類義語

生搬硬套( shēng bān yìng tào ):強引に当てはめる、強引に応用する

墨守成規( mò shǒu chéng guī ):既成の決まりを固く守って変えようとしない、「墨守陈规」とも

按部就班( àn bù jiù bān ):順序を追って事を進める、段取りをよくして事を運ぶ、段取りを踏んで進める

対義語

见机行事( jiàn jī xíng shì ):機会を見計らって事をやる、情勢を見て事を進行する、機を見ておこなう

不落窠臼( bù luò kē jiù ):古い型にとらわれない(主に文章や芸術についていう)

イラストレーターの皆さん

この記事を作成するに当たって使用させてもらった画像のイラストレーターさんになります。

「せいじん」さん - ネコ

「miho」さん - パンダ

「ACworks」さん - カエル

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