【故事成語】安居乐业( ān jū lè yè )

安居乐业( ān jū lè yè ):意味

安居乐业( ān jū lè yè )は、「居に安んじ、業を楽しむ」(自分たちの住居に落ち着き、なりわいを楽しむ)ということから、人々の生活が安定していることを指します。

そこから安居乐业( ān jū lè yè )は、「不安なく生活し、楽しく仕事に打ち込むこと」「為政者が社会をよく治めていること」「善政が敷かれていること」という意味になります。

日本語訳としては「平穏無事に暮らす」「安穏に暮らす」などがあります。

安居乐业( ān jū lè yè )には他の言い方として、「安家乐业」「安生乐业」「安土乐业」があります。

また日本語の四字熟語にも「安居楽業」(あんきょらくぎょう)という言葉がありますが、意味は同じで「現在の住まいや地位に満足して、楽しみながら仕事をすること」などを意味します。

安居乐业( ān jū lè yè ):あらすじ

小さい国に少ない国民が、自分たちの生活に満足して住むことができれば争いもなく平和な社会が築けるという話。

安居乐业( ān jū lè yè ):故事

小国寡民。(国が小さく、民が少ない)

たくさんの道具があっても使わず、民には命を大切にするようにして遠くに移住させないようにする。

たとえ舟や車があってもこれらに乗ることはなく、たとえ兵器があってもそれらを置いて並べるということはない。

民にまた縄を結ばせてこれを文字として使い、自分たちの食事をおいしいと思い、自分たちの着る衣服を心地よく着て、自分たちの住まいに満足して、自分たちの土地の風俗習慣を楽しませる。

そのようにすれば隣国は互いに見渡し、鶏や犬の鳴き声が聞こえてくるが、民は老いて死ぬまでお互いに往来することはない。

出典《老子・八十章》

《老子・八十章》:甘其食,美其服,安其居,乐其俗。

今回の故事成語である安居乐业( ān jū lè yè )の故事の出典は。老子による『老子』『老子道徳経』とも)の「八十章」になります。

各サイトなどによって句読点を打つ場所や現代語訳に若干の違いがありますが、今回は高等学校古典B/漢文/小国寡民(WIKIBOOKS)を参考にさせて頂きました。

『老子』の「八十章」に書かれている「小国寡民」とは老子が理想とした社会のことで、「小さい国土と少ない民」ということになります。

サイトによって句読点が異なる場合があるのですが、今回の故事成語のもとになった部分は次のように記載されています。(以下、拙訳)

■使民复结绳而用之,甘其食,美其服,安其居,乐其俗。

■民をして復た縄を結いてこれを用いしめ、その食を甘(うま)しとし、その服を美とし、その居に安んじ、その俗を楽しむ。

■民に(文字の代わりとして)縄を結んで用いらせて、その食べ物をおいしいと言って食べ、その服を良いとして着て、その住居に満足し、自分たちの風俗習慣を楽しませるようにする。

以上の部分「安居楽業」という言葉の出典になったとされていますが、『老子』には「業」ではなく「俗」という言葉になっています。

ちょっと深掘り

先ほどの「使民复结绳而用之,・・・・・・」(民をして復た縄を結いてこれを用いしめ、)の部分についてですが、この“縄を結ぶ”というのは具体的にどういうことなのでしょうか。

この縄を結ぶという行為は結縄(けつじょう)といって、Wikipedia「結縄」の記事を引用すると「紐や縄などの結び目を用いた記憶補助手段、もしくは原始的な情報媒体である。」としています。

世界各地では主に読み書きができない下層民や徴税人、役人などが租税の管理や取り決めを記録したり意思を伝達したりするのに用いていられ、一概には言えませんが、紐や縄の色、結び目の距離、数、大きさ、形、ねじれ方の違いなどによってさまざまな方法によって記録できたとされています。

例文

只有社会秩序安定,人民才能安居乐业

(社会秩序が安定してこそ、国民は不安なく生活することができる)

安居乐业就是我们的目标。

(平穏に暮らすことこそ私たちの目標だ)

改革开放的政策使中国人民得以安居乐业

(改革開放政策により中国国民は平穏無事な暮らしを送ることができた)

从前世界大战使广大人民无法安居乐业

(かつて世界大戦によって多くの国民が平穏な生活を送れなくなった)

類義語

国泰民安( guó tài mín ān ):国が太平で民の暮らしも平安である、国が安定し民が安らかである

丰衣足食( fēng yī zú shí ):衣食が満ち足りる、生活が豊かである、暖衣飽食

対義語

民不聊生( mín bù liáo shēng ):生活ができない、人々の生活のよりどころがない

水深火热( shuǐ shēn huǒ rè ):深みにはまって火に焼かれる、非常な苦難、人々の苦難に満ちた生活

参照

『老子』「八十章」(維基文庫)

高等学校古典B/漢文/小国寡民(WIKIBOOKS)

「結縄」(Wikipedia)

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この記事を作成するに当たって使用させてもらった画像のイラストレーターさんになります。

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